

仮想通貨取引所を運営するQuoine(コイン)は、QUOINEX(コインエクスチェンジ)を運営してきました。そして、2018年9月、機能を大幅に向上させた新しい取引プラットフォーム【Liquid(リキッド)】を公開しました。
どのような特徴を持っているか、確認しましょう。
Liquid(リキッド)の特徴
Liquid(リキッド)にログインしてしばらく使うと、Liquidならではの特徴がいくつも分かります。ぜひ押さえておきたい点は、以下の通りです。
取引可能通貨ペアの多さ
仮想通貨の場合、取引可能通貨ペア数は10未満の取引所が圧倒的でしょう。すなわち、BTC/JPY(ビットコイン/円)やETH/JPY(イーサリアム/円)などです。しかし、Liquidは、他を圧倒する通貨ペア数を誇ります。
下は、取引可能通貨ペアを表示した画面です。下の画像に、赤枠を追加しました。「JPY」という部分をクリックすると、円で売買できる仮想通貨一覧が出てきます。

上の画像を見ますと、5つの仮想通貨が並んでいます。ビットコイン(BTC)などメジャーな仮想通貨が並んでいます。その中で特徴的なのは、QASH(キャッシュ)があることです。
QASH(キャッシュ)は、Liquidを運営するQuoineが発行した仮想通貨です。これを使って、Liquidが開発・運営されています。
では、上の画像の赤枠内で、「…」となっている部分をクリックしましょう。以下の画像が出てきます。

取引可能な通貨ペア数が多すぎて、画面に収まっていません。スクロールバーを下に移動すると、取引可能な通貨ペア数全体が分かります。
数えてみましたところ、Liquidで選択できる通貨ペア数は、44もありました。
Liquid(リキッド)で通貨ペア数が多い理由
では、なぜLiquid(リキッド)では、取引可能な通貨ペア数が多いのでしょうか。仮想通貨の種類そのものは、1,000種類を優に超えています。しかし、日本で売買できるのは、限られた数しかありません。
取引可能通貨ペア数が多い理由は、上の画面を見ると分かります。例えば、ビットコイン(BTC)を取引する場合、以下の通貨ペアで取引可能です。
- BTC/JPY(円)
- BTC/USD(米ドル)
- BTC/EUR(ユーロ)
- BTC/AUD(豪ドル)
- BTC/HKD(香港ドル)
- BTC/INR(インドルピー)
- BTC/IDR(インドネシアルピア)
- BTC/PHP(フィリピンペソ)
- BTC/SGD(シンガポールドル)
- BTC/CNY(人民元)
ビットコインという仮想通貨は1種類ですが、様々な外貨で取引できます。このため、取引可能通貨ペア数が多くなっています。
これに加えて、Liquid独自の仮想通貨であるQASH(キャッシュ)を売買できるのも、通貨ペア数の増加に貢献しています。
多様な外貨で売買できる理由
では、Liquid(リキッド)では、なぜこれほどまでに外貨が充実しているのでしょうか。
日本で営業するならば、米ドルやユーロあたりはユーザーが多いかもしれません。しかし、インドルピーやフィリピンペソあたりになると、取引量は少ないのでは?と予想できます。
Liquidは、日本国内にとどまるという設計でなく、全世界で取引可能なツールにする目的で開発されています。
ICOでQASHを発行し、Liquidを制作
Liquid(リキッド)を運営しているQuoine(コイン)は、流動性が少ない国でも、ビットコインなどを不自由なく取引できるようにする目標を掲げ、ICOを実施しました。その時に発行された仮想通貨が、QASH(キャッシュ)です。
このため、多数の通貨で売買可能になっています。まだ、目標のすべてが達成されたわけではありません。しかし、着実に目標に近づいていることが分かります。
では、通貨ペア数以外の特徴も、確認していきましょう。
クリック反応速度が速い
株式やFXでトレード経験を積んでから仮想通貨の世界に来ると、すぐに、あることに気づくでしょう。「クリックししてからシステムが反応するまでに、時間がやたらとかかる」ことです。
仮想通貨の世界は、まだ歴史が浅いです。このため、株式やFXと比較するのは良くないかもしれません。
しかし、ユーザーとしては、歴史がどうであれ、今使っているシステムの性能が重要です。この点で、ユーザーの側が我慢しながらトレードしているという面があるでしょう。
しかし、Liquidは、クリック反応速度が大幅に向上しています。具体的な数字でご案内することが難しいですが、「クリックして、しばらく待ったら次の画面に移る」というストレスが解消されています。
チャートの視認性の良さ
下は、BTC/JPYの日足チャートです(Liquidから引用)。描画そのものは、Trading Viewというシステムから作られています。これを採用している取引所は複数あります。
よって、Liquid(リキッド)独自のものというわけではありませんが、チャートの視認性が良いです。すなわち、ローソク足や、取引高のグラフが見やすくなっています。

チャートを見て売買判断する場合、チャートの見易さというのは大変重要です。そして、クリック反応速度が速いことも大切です。
また、チャートの大きさや板情報など、様々な情報がありますが、その一つ一つの大きさを自由に変更し、保存できます。デフォルト画面では少し使いづらいという場合も、自分用にカスタマイズできるので、利便性が高いです。
通貨ペアが多いからできるトレード手法
話は戻りまして、通貨ペアが多いからこそ可能なトレード手法があります。たとえば、下のBTC/JPYチャートを見ますと、右側に不自然な上ヒゲがあります。チャート右上の矢印部分です。

なぜ、こんな線がでてしまうのでしょうか。これはシステムエラーでなく、仮想通貨特有の値動きです。
すなわち、売り注文の総数に対して、あまりに大きすぎる成行の買い注文が発注されたため、価格が瞬時に大きくなったということです。
流動性が大きい(売買注文が多い)ビットコインで、このような大きなヒゲが出るのは珍しいです。その他の仮想通貨だと、時折みられる現象です。
ただ、あとから見れば、「これはヒゲだな」と分かります。実際に大きく価格が上昇した場面に遭遇すると、これが単なるヒゲですぐに価格が戻るのか、それとも何か大事件があって本格的な上昇につながるのか、判断しづらいです。
価格が元の位置まで戻るのなら、売りで勝負です。一方、本格的な上昇ならば、買いで勝負できるかもしれません。
この差を判断するために、他の外貨でのチャートを確認します。例えば、BTC/USDです。下の通り、チャートの右側で大きなヒゲはありません。よって、BTC/JPYだけの突発的な事象だと分かります。
すなわち、売りで勝負です。

なお、上のBTC/USDを見ると、左側に大きな上ヒゲがあることが分かります。このとき、BTC/JPYでは何も起きてきません。すなわち、BTC/USDだけの突発的な事象だと分かります。売りで勝負を検討できます。
Liquid(リキッド)を使うと、このようなトレード手法を使えます。他の取引所では、難しいでしょう。
この方法でひとたび成功すると、利幅が極めて大きいというのも特徴です。ビットコインに限定すると、滅多に遭遇できない大チャンスになります。しかし、イーサリアム等の通貨ペアもありますので、巨大なヒゲに遭遇する可能性を広げられます。
- Liquid公式サイト:https://www.liquid.com/ja/
次頁以降では、各取引所・販売所のビットコイン口座の特徴とそれらの比較を行っていきます。