

ビットコインの相場予想や見通しを得る方法は、いくつもあります。チャート分析だったり、インターネットで情報を探したりします。
インターネットで相場見通しを探す場合は、注意が必要です。なぜなら、その見通しや予想は、記事を書いた人の主観による分析だからです。その見通しや予想が外れても、記事を書いた人は何の責任も負いません。
(逆に、見通しが当たっても、記事を書いた人は報酬をもらうわけではありません。)
そこで、自分で相場見通しを作ってみましょう。この記事では、相場予想の作り方(例)をご案内します。
データを組み合わせて、相場予想・見通しを作る
相場予想を作る方法として、ローソク足を使う方法があります。当サイトでは、カテゴリー「ビットコインの相場分析」でローソク足を使った分析をご案内しています。
ここでは趣向を変えて、「ビットコインに関するデータを組み合わせて相場予想を作る」という方法を採用します。例として、以下の2つを使います。
- ビットコインの価格データ
- ビットコインの1日あたり送金件数
下のグラフは、2年間のビットコインの価格推移(米ドル)と、1日当たりの送金件数の関係をグラフにしたものです(データ取得日は2018年3月7日、データはBlockchain.infoから引用)。このグラフを見て、何か分かるでしょうか。

ビットコイン価格と送金件数の関係(2017年4月~)
世界中でビットコインが大きく注目されたのは、おそらく2017年以降でしょう。ビットコイン取引が活発になりましたので、有効なデータが得られるかもしれません。そこで、上のグラフから、2017年4月以降1年間のデータを抽出しました。

上のグラフを眺めますと、この2つのデータの関係がはっきりします。下のグラフのように、1から5までの赤枠で囲みました。

この四角の意味ですが、「1日当たりの送金件数がピークを迎えたときから、送金件数が底をついたときまで」の範囲です。送金件数はオレンジ線です。オレンジ線のピーク(山)から、底(谷)の範囲で、一つの赤枠が作られていることが分かります。
この四角の範囲で、ビットコイン価格(青線)はどのように動いたでしょうか。
赤枠1:
送金件数が減少に転じた後も、しばらく価格は上昇した。しかし、その後下落トレンドになった。最後の部分で、価格は再び上昇を開始した。
赤枠2:
送金件数が減少に転じた後も、しばらく価格は上昇した。しかし、その後下落トレンドになった。
赤枠3:
送金件数が減少に転じた後も、しばらく価格は上昇した。しかしその後、比較的大きめの下落があった。
赤枠4:
送金件数が減少すると、価格も大きく下落した。
赤枠5:
送金件数が減少すると、価格も大きく下落した。
結論:
1日当たりの送金件数が減少トレンドになると、ビットコイン価格は下落する傾向があった。
ビットコインの下落予想
以上の分析結果を利用すれば、ビットコイン価格が下落する場合の予想・見通しを作ることができます。1日の取引件数の推移に注目していれば、ビットコイン価格下落の注意信号を見つけられます。
下落見通しが作れたら、次に、それをトレードに反映させる方法を考えます。
トレード1:
下落の危険があるので、現在持っているビットコインを売却する。
トレード2:
ビットコインFXで、売りで取引を始める機会を待つ。
トレード3:
ビットコイン価格が下落したら、その後の価格上昇を期待して買う。
いずれの場合も、過去の分析を利用したトレード方針です。将来も正解になるという保証はないので、取引金額は十分に小さくする必要があります。
また、今回考察した期間は1年間だけです。期間が短いかもしれません。そこで、その前の1年間でも同じ傾向があったかを確認しましょう。
ビットコイン価格と送金件数の関係(2016年4月~2017年3月)
下のグラフは、2016年4月から2017年3月までのグラフです。どうでしょうか。上で考察した関係は見つかるでしょうか。

2017年3月(グラフ右端)については、送金件数とビットコイン価格に連動性があると言えそうです。しかし、2016年6月~7月と、2017年1月初めの部分は、関係性が弱そうです。
ただ、2016年はビットコインの取引が活発だった時期とは言えないでしょう。よって、2016年のデータをどこまで信用してよいのかが難しいところです。
ビットコインはこれからも取引されます。よって、データも日々積み重なっていきます。データ取得は徐々に簡単になっていくでしょう。
そうなれば、ビットコイン価格の予想や見通しも作りやすくなってきます。
自分だけの予想を作ろう
このようにして、データを組み合わせて自分だけの予想が完成すれば、かなり有利です。世の中が「ビットコイン価格は下落してダメだあ!」と騒いでいるときに、「実はここは買いチャンスなんだよ」と分かるとすれば、最高の展開です。
そして、そのような最高の見通しは、なかなかインターネット上に出てこないでしょう。
なぜなら、そんな有益な情報を公開するのは、もったいないからです。記事の執筆者は、有益な情報を公開しないで、自分でしっかり買いたいと思うでしょう。あるいは、しっかり買いこんでから記事化するかもしれません。
よって、記事を読んでから売買するのは不利かもしれません。自分ならではの手法を見つけるべく、データ分析をしていきましょう。