

ペナント(三角保ち合い)
ビットコインのチャート分析では、ペナント(三角保ち合い)も有効に機能するように見えます。そこで、ペナントについて確認しましょう。
ペナントとは?
ペナントは三角保ち合い(さんかくもちあい)とも呼ばれます。そのチャート形状を下の図で確認しましょう。
青の曲線がビットコイン価格の推移を示します。そして、赤色の補助線を2本引いています。上側が上値抵抗線、下側が下値支持線です(上値抵抗線と下値支持線の考察につきましては、別記事「ビットコインのチャート分析2:上値抵抗線・下値支持線」をご覧ください)。

上値抵抗線と下値支持線の間の距離が次第に狭くなって、最終的には交差している様子が分かります。この2本の補助線の間をビットコイン価格が推移しますから、値動きがだんだん小さくなっています。
そして、二つの補助線が交差するあたりで、一気に上方向または下方向に価格が動くというのが、ペナントの特徴と言われます。上の図では、上方向に進む様子を描いています。
なお、実際のトレードにおいては、2本の補助線が交差する点よりも前に価格が上または下に大きく動きだすことがあります。このため、「2本の補助線が交差する点またはその少し前あたりで大きく動きだす可能性がある」くらいに認識しておきましょう。
ビットコイン相場でペナントは有効か?
では、ビットコイン相場でも、ペナントのチャート分析手法は有効に機能するでしょうか。DMM Bitcoinの日足チャートで確認しましょう。
2017年6月~7月
下のチャートで、2つの補助線が徐々に近づいていることが分かります。教科書的には、2つの補助線が交差するあたりで価格が大きく動くのですが、下の例では、そうなる前に下方向に進んでいることが分かります。

2017年7月~8月
下の例は、ペナントの形が分かりやすいです。ここでは、補助線が交差するあたりまで価格が横ばいで推移していることが分かります。その後、一気の上昇が実現しています。

ペナントができると、徐々に値動きが小さくなります。そして、ペナントが終了して上または下に動き出すと、今までとは違って大きく一気に動いている様子が分かります。今までの小さな値動きに慣れていると、突然の値動きでびっくりしてしまうかもしれません。
ペナントが見つかったら、突然の大きな値動きに警戒するとともに、トレードチャンスを探してみましょう。
上値抵抗線、下値支持線そしてペナントはいつもセットで考えることが可能です。また、上のチャートは日足ですが、もっと短い時間軸でも有効に機能する可能性があります。そこで、皆様自身でチャートを眺めてみてください。
ペナントを探す際の留意事項
お、実際にペナントを探してみると、慣れないうちは難しく感じるかもしれません。例えば、下のチャートの赤丸部分の扱いです。

チャートが、部分的に下方向に突き抜けています。この青線を「ヒゲ」と言います。補助線を引いてペナントを探す際、このように部分的に補助線をはみ出してしまっても構いません。
どの程度はみ出しても良いのか、あるいは、はみ出さない方が良いのか。これを断定的に書くのは難しいです。実際にチャートに線を引いてみて、コツをつかんでください。
なお、上のチャートで、ヒゲ部分もはみ出さないようにペナントを描くと、下のようになります。とても美しいペナントになります。補助線の引き方によって、チャートの見え方が全く変わってくることが分かります。

ペナントのトレード例
では、ペナントを使ったトレード例を考察しましょう。下のチャートをご覧ください。右端部分でペナントが終了し、価格が大きく上昇している様子が分かります。

価格が上昇しているので買いですが、どこで買いましょうか。それは上の図の右端A点でしょう。本来はD点あたりで買いたいです。しかし、D点だと、その後に上昇するか下落するか分かりません。上昇を確認してから買います。
次に、どこで利食いするか考えましょう。実際には、どこで利食いしても構わないです。しかし、最大目標値の目途が欲しいです。目標値の考え方には複数ありますが、ここでは1つご案内します。
目標値の出し方(例):
- (1)ペナントの初期段階の高値と安値の差を出します。上の図でいえば、BとCの差です。
- (2)次に、買った点(A点)から見て、直近の谷の部分を探します。上の図でいえば、点Dです。
- (3)点Dを起点にして、線分BCと同じ距離だけ上方向に伸ばします。その点が最大目標値になります。
ここで算出した目標値まで、必ず到達するというわけではありません。しかし、最大目標値の目安として使えるでしょう。
なお、損切りの位置も確認しましょう。上の図でいえば、点Dを下回ったら損切りです。
利食いする場合に得られる額(期待利益)と、損切りする場合に失う額を比較します。期待利益の方が大きければ、トレードチャンスと考えられます。仮に勝率が5割であっても、利幅の方が大きければ、トレードを繰り返すと合計でプラスになると期待できるからです。
次のページでは、取引するうえで欠かせない必須アイテム「リアルタイムチャート」の設定方法を、ビットフライヤーの「bitFlyer Lightning」を例にとって紹介します。