仮想通貨の発展性
ビットコイン、仮想通貨、ブロックチェーンに関するニュースが徐々に増えてきました。ということは、仮想通貨を始めている人が増えているということでしょうか。人数を調べることはできませんが、仮想通貨の時価総額を調べることはできます。
そこで、およそ1年半前と今の時価総額を比較して、仮想通貨の発展ぶりを確認しましょう。
仮想通貨の時価総額比較
ウェブサイトを検索すると、仮想通貨の現在の時価総額について確認可能です。しかし、過去の数字について調べることは難しいようです。そこで、時価総額が大きい5通貨について比較しましょう。
上位5通貨の時価総額(単位:100万米ドル)
- 2014年9月:6,705
- 2016年2月:6,498
意外かもしれませんが、仮想通貨上位5通貨の時価総額は減少しています。
2014年9月は今ほど仮想通貨の種類が多くありませんでした。今は何百もありますから、この一見すると減少したように見えるのは間違いかもしれません。というのは、上位5通貨以外の通貨にも多くの資金が流入している可能性があるからです。
そこで、上位5通貨の時価総額の、仮想通貨全体の時価総額に占めている割合を確認しましょう(調査日:2016年2月5日)。
時価総額比較(単位:100万米ドル)
- 上位5通貨:6,498
- 仮想通貨全体:6,712
- 上位5通貨の占有率:96.8%
- ビットコインの時価総額:5,892
- ビットコインの占有率:87.8%
圧倒的です。上位5通貨の時価総額で全体の96.8%を占めます。第6位以下は誤差の範囲だといってしまえるほどです。さらに書くと、ビットコインが占める割合も極めて高いです。全体の87.8%もあります。
以上のことから、他の仮想通貨にもいくらか資金が流入しているものの、その金額や割合は極めて小さいということが分かりました。
すなわち、以下のことが言えるでしょう。
「2014年9月と2016年2月を比較すると、仮想通貨に流入している資金は減少している」
時価総額減少の理由
では、仮想通貨について盛り上がりを見せているにもかかわらず、時価総額はなぜ減少しているのでしょうか。時価総額で圧倒的な割合を占めているビットコインのチャートで確認しましょう。
下のチャートはhttp://coinmarketcap.com/からの引用です。

薄い青が時価総額です。縦軸の目盛りは左側です。チャートの中に黒の縦線を2本引きました。真ん中が2014年9月、右端が2016年2月です。
ビットコインの時価総額(単位:100万米ドル)
- 2014年9月:6,322
- 2016年2月:5,892
ビットコインは430(百万米ドル)だけ数字を減らしていることが分かります。仮想通貨全体で見ますと207だけ減らしていますから、仮想通貨の時価総額減少理由はビットコインにあることが分かります。
- ビットコインの増加:△430
- ビットコイン以外の仮想通貨(アルトコイン)の増加:+223
- 全体:△207
ビットコインからの資金流出があまりに大きいために、その他の仮想通貨に資金がいくらか流入しても、全体としてはマイナスとなってしまったという構図が分かります。
仮想通貨は衰退するのか?
では、資金が流出してしまった仮想通貨は、今後衰退の道を歩むのでしょうか。これに対する答えは、数年後あるいは10年後を待つ必要がありますが、予想としては、今後も発展を続ける可能性があるでしょう。
理由は以下の3点です。
- 理由1:アルトコインへの資金流入があること。
- 理由2:ビットコインがもてはやされて流入した投機資金が抜けていき、現在は健全な状態に移行している過程とみなすことが可能であること。
- 理由3:各国による法整備が進めば、安心して利用できるサービスの増加を期待できること。
仮想通貨、そして仮想通貨を実現しているブロックチェーン技術は利用価値が高いため、今後も発展する可能性は十分あるでしょう。