

ビットコイン利用時の類似用語(単語)
ビットコインを使おうとすると、似たような4つの単語に出会うかもしれません。すなわち、販売所、取引所、交換所、交換会社です。この4つはどのように異なるのでしょうか。
販売所
販売所とは、ビットコインを販売する場所という意味です。「場所」と書いてしまうと、どこかに店舗があって、そこで対面販売するようなイメージがあります。しかし、ビットコインですから、実店舗ではありません。インターネット上の話です。
では、販売所で買う人は私たちだとして、売る人は誰でしょうか。それは、その販売所を運営している企業です。
また、「販売所」という名前から連想しますと、ビットコインを買うことをイメージできます。しかし、手持ちのビットコインを売って円に換えることもできます。
取引所や交換所と比較して、販売所の特徴は以下の通りです。
- 1.誰と売買しているのかが分かる。
- 2.販売所が提示する価格で確実にビットコインを売買できる。
取引所、交換所
取引所や交換所と呼ばれるものは、同じことを意味しています。そこで、以下、取引所と交換所をまとめて「取引所」と呼びます。
取引所でのビットコインのやり取りは、株式の売買に似ています。すなわち、ビットコインを買いたい、売りたいという人が注文を出し、売買で価格が一致するときに取引が成立するという方式です。
販売所と比較して以下の違いがあります。
- 1.誰と売買しているのかが分からない。取引に参加している顧客間で売買する。
- 2.売買注文の板情報に出ている取引価格と数量で売買が可能。
販売所と取引所では上記した違いや特徴がありますが、どちらが良い・悪いということはなく、どちらにもメリットとデメリットがあります。
皆様のご都合に合わせて選択しましょう。
交換会社
交換会社という場合、「取引所・交換所・販売所を運営している会社」を指します。よって、少し意味合いが異なります。取引所等の単語は、「仮想通貨を売買する場所」「取引所の運営会社」の両方を指すのに使えます。
では、取引所という単語が既にあるのに、さらに交換会社という名前があるのは、なぜでしょうか。
業者をまとめて表現する単語がない
実は、仮想通貨を売買できる場所をまとめて表現できる単語がありません。
- (1)取引所:bitbank、BITPointなど
- (2)販売所:GMOコイン、DMM Bitcoinなど
- (3)両方のサービスを提供:bitFlyerなど
(1)から(3)までの全ての業者をまとめて表現する方法は何か?ですが、一般に通用する単語がありません。これは、特に報道する側(マスコミ)にとっては困った事態です。報道するには、正確に表現できる単語が必要です。
また、取引所という単語を使うと、株式の取引所と同じだというイメージを与えかねないという問題もあります。
そこで、「交換会社」という単語が生まれました。主にマスコミで使われています。
交換業者
なお、交換会社と似た表現として「交換業者」があります。こちらは、交換会社のうち、資金決済法に基づく登録を受けた業者を指します。
金融庁登録を受けた交換業者で、仮想通貨を売買しましょう。
販売所と取引所の価格差
では、販売所と取引所では、どれくらいの価格差があるでしょうか。
下のキャプチャは、bitFlyerのホームページから引用して加工したものです。左側が販売所の売買価格、そして、右側が取引所の取引画面です。

販売所の取引価格
販売所で売買する場合、キャプチャをとったときには以下の価格で取引できました。これは1BTCあたりの価格です(BTCはビットコインの単位です)。
- 購入価格:1,178,728円
- 売却価格:1,132,307円
仮に、1BTCを買った直後に1BTCを売る場合、46,421円だけ損します。この差をスプレッドといいます。この差が業者の収益の源泉になります。
取引所の取引価格
全く同じ時刻において、取引所の価格は以下の通りでした。
- 購入価格:1,145,000円
- 売却価格:1,144,990円
販売所と比較すると明らかですが、「取引所は、販売所よりも安く買えるし、高く売れる」ことが分かります。価格差(スプレッド)はわずか10円しかありません。
以上から、販売所で取引する価値は全くないようにも見えます。しかし、そうではありません。というのは、取引所では売買可能数量が限定的です。上のキャプチャで確認しますと、以下の通りです。
- 売り数量(=私たちが買える数量):0.3BTC
- 買い数量(=私たちが売れる数量):0.1BTC
すなわち、1,145,000円で買えるといっても、それは0.3BTCに限った話です。それよりもたくさん買おうと思えば、1,145,000円よりも高いお金を支払う必要があります。
なお、注文板をご覧いただきますと、114.6万円前後で3BTC以上買えると分かります。十分な数字でしょう。しかし、何か突発的な事件等が起きると、この売り注文をはるかに上回る買いが集まるかもしれませんし、事件に驚いて、売り注文が取り消されてしまうかもしれません。
つまり、いつでも必ず売買できるという訳ではありません。
一方、販売所での取引の場合は、もっと多額でも大丈夫です。このため、まとまった取引で確実に売買したい場合は、販売所の利用が選択肢になります。
販売所と取引所を使いこなす方法
「自分は取引所でトレードするだけだから、販売所は不要だよ」という場合もあるでしょう。しかし、もしもの場合に備えて、販売所で取引できると知っておくと良い場合があります。
というのは、ビットコインは価格変動率が極めて高いからです。
下のチャートをご覧ください。ビットフライヤー(bitFlyer)ホームページから引用したものに数字等を加えたものです。

価格の天井は47万円台、そして、その後の下落で32万円台になった様子を描いています。率にして30%以上の大幅下落です。では、これだけの下落はどれくらいの期間で達成されたのでしょうか。
横軸は時間を示します。そこで、確認しますと・・・
- 47万円台の高値:2017年9月12日午後4時くらい
- 32万円台に急落:2017年9月15日午前9時くらい
30%以上もの急落が、わずか数日で実現してしまいました。これは大変な値動きです。上のチャートは下落の場合で書いていますが、上昇局面でも、大きく上昇することがあります。
販売所の使い時
ここで、「取引所だけ」でビットコインを売買している場合を想像してみましょう。今、ビットコインを持っていて、価格が暴落を始めたとします。さらに下落すると考えた場合、ここで売却したほうが有利です。
そこで、取引所で売却しようとします。・・・しかし、思ったように売却できないかもしれません。
というのは、そのようなときには他の人も売りたいはずです。わざわざ暴落を狙って買いたいという人は少数派でしょう。すると、売却注文を出しても買い手がいないから売買不成立だったり、とんでもない安値で売却してしまったり、という問題が起きかねません。
こういうとき、普段なら使い道がないように見える「販売所」が選択肢として浮上します。販売所で売却すれば良いのです。
以上の想定は、今後ずっと実現しないかもしれません。しかし、それでも良いと思います。「もしもの場合には、いつでも売却できる手段を持っている」という安心感こそが大切です。
これは、価格が急騰するときも同様です。
価格が飛ぶように上昇するとき、大勢が買いたいと思うでしょう。そして、売りたいという人は少ないかもしれません。というのは、わざわざ今の価格で売らなくても、高くなってから売れば良いからです。
すると、取引所では買いたくても買えないという現象が出てくるかもしれません。こういう場合にも、販売所の利用を検討できるでしょう。
以上のことから、販売所と取引所の両方の機能を持っている会社で取引すると、安心感が大きいです。ビットフライヤー(bitFlyer)は、販売所と取引所の二つで取引可能です。