

ビットコインを資産運用という視点で見るとき、株式や債券に比べて少し不満があるかもしれません。それは、「長期保有しても配当や金利をもらえない」ということです。
定期的に配当をもらえるならば、価格変動よりも配当重視で保有することができます。また、価格が少々下落しても、配当でカバーできる場合もあるでしょう。
しかし、ビットコインには配当がありません。すなわち、投資成績は価格変動のみによって決まってしまいます。この点は、金(きん)に似ているかもしれません。金(きん)を保有しても、配当や金利はありません。
この不満を解消するサービスがあります。GMOコインの「貸仮想通貨サービス」です。
貸仮想通貨サービスとは
GMOコインの貸仮想通貨サービスですが、誰が誰に貸すのでしょうか。それは、私たち顧客が、GMOコインに貸します。そして、手数料(賃借料)をもらうことができます。長期保有が確定しているビットコインを持っている場合、このサービスを検討できるでしょう。
貸付可能な仮想通貨
GMOコインの貸仮想通貨サービスでは、以下の仮想通貨を使用できます。
- ビットコイン(BTC)
- イーサリアム(ETH)
- ビットコインキャッシュ(BCH)
- ライトコイン(LTC)
- リップル(XRP)
- ネム(XEM)
- ステラ(XLM)
有名な仮想通貨を、概ね網羅しています。これらの仮想通貨を持っているけれど使い道がないという場合は、GMOコインに貸すという選択肢があります。実際に貸すか否かは別途検討するとして、選択肢が増えるのは良いことです。
賃借料
貸仮想通貨サービスは預金等でないので、金利という表現にはなりません。賃借料です。GMOコインの場合、仮想通貨の種類にかかわらず、年利5%と設定されています。
一般的な金融商品と比較してみると、年利5%という数字はとても大きいです。しかし、仮想通貨の価格変動率を考えれば、5%は小さい数字かもしれません。そこで、価格が高くなったら売却しようと考えている場合、このサービスを使いづらいかもしれません。
長期保有のビットコインを使いましょう。
申込可能な時期と貸出方法
特定の期間(2週間ほど)、GMOコインのホームページ上で募集します。申し込み多数の場合は、抽選となります。
このため、自分の仮想通貨を貸して手数料をもらいたいな、という場合は、GMOコインのホームページを時々チェックしましょう。
そして、当選しても落選しても、その結果はGMOコインから連絡してもらえます。当選した場合、GMOコインの口座から当選した数量の仮想通貨が自動で引き落とされます。自分でどこかに送金する必要はありません。
なお、引き落とし時に当選した数量の仮想通貨がない場合、申し込みは自動でキャンセルされますので気を付けましょう。
貸出期間(満期)
GMOコインの貸仮想通貨サービスでは、満期は募集ごとに決められます。過去実績では、90日間や150日間です。申し込み前に、期間を必ず確認しましょう。
もちろん、もらえる手数料の額は、貸し出した期間によって変わってきます。
例えば、10BTCを90日間貸し出すときにもらえる額は、0.12328767BTCとなります。計算式は下の通りです。
10BTC×0.05(5%)×(90日/365日)
このサービスは、長期保有のビットコインで利用すべきでしょう。しかし、短期保有のビットコインの場合でも、少なくとも貸出期間中は売却予定がないという場合、このサービス利用を検討できます。
なお、貸出期間中は、そのビットコインを別の場所に送金できません。売却もできません。GMOコインは、借りたビットコインを使って、何かの事業をすると考えられます。自由に送金できるとすると、GMOコインが困ってしまいます。
申込単位
この貸仮想通貨サービスですが、申込単位は以下の通りです。かなり大きな金額です(募集ごとに変更される可能性がありますので、必ず募集要項を確認してください)。
ロゴ | 仮想通貨名 | 貸出数量(1回当り) | 最小貸出単位 |
---|---|---|---|
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ビットコイン | 0.1BTC~100BTC | 0.1BTC/回 |
![]() |
イーサリアム | 5ETH~500ETH | 5ETH/回 |
![]() |
ビットコインキャッシュ | 5BCH~300BCH | 5BCH/回 |
![]() |
ライトコイン | 10LTC~1,000LTC | 10LTC/回 |
![]() | リップル | 5,000XRP~1,000,000XRP | 5,000XRP/回 |
![]() |
ネム | 30,000XEM~1,000,000XEM | 30,000XEM/回 |
![]() | ステラ | 20,000XLM~1,000,000XLM | 20,000XLM/回 |
このサービスを使える人はどれくらいいるのだろう?という感じがします。そこで、別記事「仮想通貨の取引の現状(2017年日本版)」で引用したデータを確認しますと、100万円以上の残高がある口座は、日本全体で8万口座弱あります。
これからビットコインを始めようという大口顧客もいるでしょう。また、ハードウェアウォレット等で大きな数量を保管している人もいるでしょう。そこで、この貸仮想通貨サービスを実質的に利用できる人は、かなり大勢いることが分かります。
中途解約
なお、満期までの期間は長くありませんが、満期前に解約することもできます。しかし、中途解約は不利ですので、満期まで保有しましょう。
具体的には、中途解約すると「元金を返してもらえるが、元金から賃借料と同額を控除して返してもらう」ことになります。よって、投入額よりも、手元に返ってくる仮想通貨の数量は減ってしまいます。
中途解約しないよう、事前にじっくり考えましょう。
リスク
最後に、リスクを考察しましょう。小さなものから大きなものまで考えると多数になるでしょうが、主なものをご案内します。
リスク1:預貯金ではない
貸仮想通貨サービスは、預貯金ではありません。よって、預金保険の対象ではありません。仮に、貸出期間中にGMOコインが経営破たんしても、貸し出した仮想通貨を返してもらえる保証はありません。
リスク2:ハードフォーク
仮想通貨がハードフォークすると、一般的には、新しくできた仮想通貨をもらうことができます。しかし、貸仮想通貨サービスを利用しているときにハードフォークした場合は、新仮想通貨をもらえない可能性があります。
リスク3: 価格変動
貸し出した日の価格に比べて、満期日の価格が上昇していれば問題ありません。しかし、下落する場合もあります。価格変動に関わらず仮想通貨を返してもらえますが、円換算したときの評価額はどうなるか分かりません。
リスクと見込み収益のバランス
どのような投資でも、リスクがあるからこそ果実(収益)があります。預貯金の場合、他の金融商品に比べて安全度は抜群です。よって、利息はゼロに近いような状態です。リスクと見込み収益のバランスを考えながら、サービス利用を検討しましょう。
- GMOコインのURL:https://coin.z.com/jp/
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