

ビットコイントレードの魅力の裏にあるリスク
ビットコインは価格の乱高下が魅力であり、同時にリスクでもあります。というのは、ビットコインを買った後に価格が大幅に上昇すると大成功になる一方、価格が下落する場合は、あっという間に含み損が増えてしまうからです。
そこで、含み損リスクを減らしながらビットコインでトレードする方法を考察します。
このチャートの今後は下落?上昇?
ビットコインの値動きを、日足チャートで確認しましょう。DMM Bitcoinからの引用です。チャートの中に、トレンド線を2つ描きました。

2017年10月から11月にかけて、ビットコイン価格は順調に上昇しました(赤線1の部分)。そして、11月の後半になると、その傾きがさらに大きくなりました(赤線2)。
このまま黙って見ているのは嫌だ!と考えて、ビットコインを買ったとします。では、その後どうなったでしょうか。その後の値動きを、下のチャートで確認しましょう。

赤線2の部分で買ってさらなる上昇を期待したのですが、結果は正反対です。下落途中で損切りできれば、損失を限定できます。しかし、損切りできない場合、含み損があっという間に増えてしまったことでしょう。
ビットコインの話を聞くたびに、不愉快になってしまいます。
そこで、買った後に価格が下落してしまっても、ダメージを抑えられる方法を考察しましょう。
取引方法の調整~買い方を変えてみる
全額を投入して一気にビットコインを買うのではなく、ビットコイン価格が下落するたびに少しずつ買っていく。
このトレード手法の意図は、以下の通りです。
下の図で、青の曲線はビットコイン価格の推移です。そして、オレンジの丸は買い注文です。「ビットコイン価格の底値で買えた」という絵ですが、いつもこのように買えるわけではありません。
いつもこれができるならば、スーパートレーダーとして後世に名前を残せるでしょう。

実際のところは、下の図のようになりがちです。下の左側の図は、「ビットコイン価格が指値注文の価格まで下落しないで残念!」という様子を表しています(失敗例1)。
あるいは、「ここが底値だと思って買ってみたら、さらにずっと価格が下落してしまって大失敗」ということもあるでしょう(失敗例2)。含み損が大きくなる一方ですから、失敗例1よりも痛いです。

こういった失敗例は誰でもやってしまう可能性があります。そこで、底値で買おうと頑張るのを止めます。
すなわち、もうそろそろ底値だなと思ったら、「少しだけ」買います。そして、価格が上昇したらOKです。含み益になって成功です。一方、少し買った後に価格が下落したら、追加で少し買います。さらに価格が下落したら、再び少しだけ買います。
下の図は、この様子を示しています。
青の実線のようにビットコイン価格が動くとき、7つの注文のうち4つが成立しています。破線のように動く場合は、7つ全部の注文が成立しています。

価格が上昇する場合は、すでに買ったビットコインが含み益ですのでOKです。買った後に価格が下落する場合は、さらに多くのビットコインを買えるのでOKです。
すなわち、「ビットコイン価格が上昇しても下落してもOK!」というトレード手法になります。
このトレード手法の注意点
価格が上昇しても下落しても大丈夫というトレード手法でも、注意点はいくつかあるでしょう。
注意点1:価格が十分に下がってから買い始める
価格が高い時に買い始めると、その後の価格下落で痛い目に遭うかもしれません。そこで、価格が下がったなあ・・・と感じるところから買い始めます。十分に価格が下がったところから買い始めれば、含み損で困る確率を減らせます。
注意点2:少しずつ買う
手持ち資金全額を使って一気に買ってはいけません。少しずつ買います。大きく勝負したくなる衝動を抑えて、ゆっくり買いましょう。ビットコイン価格は大きく変動しやすいですから、衝動買いはいけません。
注意点3:あらかじめ計算しておく
ビットコイン価格が下落するたびに少しずつ買いますが、いくらになったらどれくらいの数量を買うのか、あらかじめ考えておきましょう。そして、全部の注文が成立するときに必要な資金量も計算しておきます。
でないと、行き当たりばったりのトレードになってしまい、気づいたら大きな金額になってしまうかもしれません。備えあれば患いなし、です。
注意点4:どこで売るかも考えておく
どこで売って利益を確定するかについても、あらかじめ考えておきましょう。
ビットコインはこれからも上昇を続けると考える場合は、永遠に売らないという選択でも良いでしょう。そうではなく、買い値から20%上昇したら売ろうという方法でも良いでしょう。
事前に決めておかないと、売るべきか持ち続けるべきかで、とても悩むことになるかもしれません。事前に決めておけば、大きく悩む必要はなくなります。
トレード実践例
では、上のトレード手法を、ビットコインのチャートに当てはめながら考えてみましょう。下は、ビットコインの週足チャートです。

2017年、ある人が、ビットコインの盛り上がりをインターネットで見つけて、ビットコインの存在を知ったとします。すなわち、価格が上昇中です。
しかし同時に、1年前(2016年)には10万円よりもずっと安い価格だったと知りました。今の高値では買いたくないな、と考えていたとします。そうこうしているうちに、高値の240万円(上のチャートのA点)になりました。
あまりに高いです。
このまま買えないのか…と、あきらめていたのですが、価格が下がり始めました。高値の240万円という数字を知っているので、価格が100万円台半ばであっても、安く感じてしまうのが不思議です。
そこで、少しずつ買おうと決めました。では、どこで買いましょうか。
購入のタイミング
安くなったとはいえ、100万円台です。買った後、さらに安くなって損したくありません。しかし、安くなるのを待ちすぎて、全然買えないのも面白くありません。そこで、高値240万円の半額、120万円になったら、少しずつ買おうと決めたとします。
120万円よりも下落するかもしれませんが、その場合は、追加で買います。120万円まで下落する前に反転上昇したら、あきらめて別の仮想通貨を物色します。
購入プラン(例)
120万円で、1万円分の買い。
110万円で、1万円分の買い。
100万円で、1万円分の買い。
90万円で、1万円分の買い。
80万円で、1万円分の買い。
70万円で、1万円分の買い。
(以下、続く)
上の購入プラン例の場合、最大で12万円分買うことになります(ビットコイン価格が10万円まで下がる場合です)。
そして実際には、70万円の買い注文まで約定できたとします。この場合、購入金額は6万円、ビットコインの購入平均単価は95万円です。70万円で一気に6万円分を買うのが最高ですが、ビットコイン価格が70万円まで下落することは、事前に分かりません。
よって、最安値で一気に買うというのは、現実的なプランではありません。
かといって、「ここで買おう」と決めた120万円で全額投入して買ってしまうと、ビットコイン価格が70万円まで下がった時点で、含み損がとても大きいです。全然面白くありません。
よって、「十分下がったと思う価格から、下落するたびに少しずつ買う」という方法は、高値で一気に買う危険を回避できます。
なお、この方法ですと、購入予定資金を全額使うのは難しいかもしれません。資金が余ったら、別の仮想通貨の購入を検討できます。
次頁では、実際に含み損を抱えた場合の対応方法について検討しています。
仮想通貨の運用方法
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