


ビットコインが流通するにつれて、その保管方法の問題にも注目が集まります。ビットコインはただの電子データです。どれだけ多額のビットコインであっても、一瞬で別の場所に移動できます。
保管場所として最も手軽なのは、日本の取引所でしょう。日本の取引所は、法整備が進んで安全度が格段に高まりました。しかし、資産は分別管理です。信託銀行の信託財産のような超安全性があるという訳ではありません。
そこで、自分の資産は自分で守ると決めたとしましょう。
この場合、PCやスマホで保管するのは心もとないです。PCやスマホは、常にハッキング等の脅威にさらされています。どれだけセキュリティを高くしても、取引所以上の防御力を備えるのは容易ではありません
ここで選択肢となるのが、物理的に別のところで保管する方法です。すなわち、ハードウェア・ウォレットです。インターネットから切り離して保管すれば、安全です。
USBメモリなどを使うのも良いですが、この種のメモリには、色々なプログラムを自由に保存できます。すなわち、マルウェア(悪意あるプログラム)も同居できてしまいます。すると、USBメモリをPCやスマホにつないだ途端に、ビットコインが盗まれるかもしれません。
そこで、仮想通貨情報だけ保管できるハードウェア・ウォレットの登場です。
ハードウェア・ウォレットの種類
ハードウェア・ウォレットは、様々な種類があります。ここでは、その性能で定評がある「Ledger」シリーズの画像を見てみましょう。
下は、USBメモリのような外見をしたものです。場所を取りませんし、液晶部分を保護するカバーがあります。外的なショックへの耐性も高くなっています。

下は、液晶画面が大きくなっています。今のハードウェア・ウォレットは、ビットコインだけでなくイーサリアムなど数多くの仮想通貨を保管できるようになっています。

ハードウェア・ウォレットはどこで購入するべきか
では、ハードウェア・ウォレットを購入すると決めたとしましょう。どこで買えば良いでしょうか。ここで、一つ考える必要があります。
他の商品を買うのと同様に考えるのは、少々リスクがある
例えば、何か商品を買おうとしたとします。少しでも安く買いたいです。そこで、価格比較サイトで検索して、最も安い業者から買います。この行動は、ごく普通のことでしょう。しかし、ハードウェア・ウォレットの場合、この行動は問題があるかもしれません。
というのは、ハードウェア・ウォレットは、ただの商品ではないからです。その中に、仮想通貨を保管するのです。
少額ならば、取引所で保管しても大丈夫でしょう。敢えてそうしないでお金を払ってハードウェア・ウォレットを買うということは、そこで保管する仮想通貨の額は比較的大きくなるはずです。
そのような商品を、「安ければ良い」という選択肢で選んで良いでしょうか。いくつかのトラブル例を想定してみましょう。
- 使い方が分からない場合、どうしましょう?
- 購入したハードウェア・ウォレットに何かエラーがあったらどうしましょう?
- ビットコインのプログラムが修正されるとき、何かする必要があるかも?
売り手から見ると、安さを追求する場合、どこかでサービスを削る必要があります。でないと、営業を継続できません。安さだけを求めて買った場合、使い方が分からなくて販売業者に照会しても、丁寧な回答を期待するのは難しいでしょう。
また、バージョンアップなどが仮に必要になっても、全て自分で確認して行動することになるでしょう。
販売業者が詐欺を働く場合
さらにもう一つ、とても痛い問題があります。それは、「販売業者が詐欺をする場合」です。正確には、「詐欺師が販売業者を装う場合」と表現する方が正確かもしれません。
これは、実際に発生しているようです。流れは以下の通りです。
1.インターネットで、詐欺師がハードウェア・ウォレットを販売する(多くの場合、正規代理店よりも安いです)。
2.安いからという理由で、消費者がそれを買います。
3.実は、そのハードウェア・ウォレットには細工がしてあります。いったん開封して、秘密鍵を詐取しています。消費者がワナにかかってくれるように、自作の説明書も付けています。
4.そうとは知らずに、購入者はそこにビットコインなどを入れます。取引所で保管せず、わざわざハードウェア・ウォレットに入れるくらいです。かなりの金額になる場合もあるでしょう。
5.詐欺師は、細工したハードウェア・ウォレットへの入金を確認したら、自分のウォレットに出金します。
購入者が気づいた時には、そのネットショップはもうありません。あるいは、あったとしても、販売者不明で連絡をとれません。ビットコイン等の送金先アドレスは分かりますが、そのアドレスの所有者は不明です。
コインチェック(coincheck)の仮想通貨盗難事件により、仮想通貨はマネーロンダリングできることが証明されてしまいました。よって、ひとたび盗まれたら、もう戻ってこないでしょう。
このようなリスクを回避するのは、とても簡単です。すなわち、「正規代理店で買う」ことです。正規代理店ということは、そのハードウェア・ウォレットを作っている本社からお墨付きをもらっているということです。その分だけ、サービスも充実しています。
Ledgerシリーズの正規代理店
Ledgerシリーズの正規代理店サイトを覗いてみましょう。
安さを追求する場合と比べて、以下のメリットがあります。
- LINE@でのサポートあり
- エラーなど各種情報を、リアルタイムでツイッターやフェイスブックで更新
エラーなど各種情報取得だけでしたら、安いところで買って情報だけこのサイトからいただくという方法も可能です。しかし、個別サポートを得るには、正規代理店で買う必要があります。
数百円の安さを求めてリスクを背負うか、それとも購入時に数百円高くなるかもしれないけれど、正規代理店のサポートを得られるか。
この2択になりますが、ハードウェア・ウォレットで保管するのは仮想通貨であるという事実を考えれば、正規代理店で買うという選択肢を採用したいです。
また、「正規代理店で買ったウォレットでないから、もしかして、入金したら盗まれるかも?」などと心配しながら仮想通貨を保管するのは、不安で仕方ありません。結局は、少々高くても正規代理店で買う。この選択肢しかないように思います。
Ledger Nano Sで保管できる仮想通貨
最後に、代表的なハードウェア・ウォレット「Leger Nano S」で保管できる仮想通貨の種類を確認しましょう。全部で24種類もあります(2018年5月時点)。これだけあれば、十分でしょう。

ビットコイン(Bitcoin)
ビットコインキャッシュ(Bitcoin Cash)
ビットコインゴールド(Bitcoion Gold)
デジバイト(Digibyte)
エイチキャッシュ(HCash)
クアンタム(Qtum)
ピヴクス(PIVX)
ステルスコイン(Stealthcoin)
バートコイン(Vertcoin)
ヴィアコイン(Viacoin)
ユービック(Ubiq)
エクスパンス(Expanse)
ダッシュ(Dash)
ドージコイン(Dogecoin)
イーサリアム(Ethereum)
ライトコイン(Litecoin)
ストラティス(Stratis)
リップル(Ripple)
ジーキャッシュ(Zcash)
コモド(Komodo)
ポスダブリュー(PoSW)
アーク(Ark)
ネオ(Neo)
ステラ(Stellar)