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Moneroハードフォーク後のロゴ一覧

アルトコインの一種であるモネロ(Monero、XMR)が、ハードフォークをめぐって揺れています。そこで、ハードフォークに至った経緯から順に追って確認しましょう。

なお、この問題は現在進行形で続いています。新しい情報が出ましたら、随時更新していく予定です。

マイニング専用機「ASIC」

仮想通貨の多くには、マイニングという機能があります。このマイニングに成功すると、成功者は仮想通貨をもらえます。これを目的にして、多くの人々がマイニングに参加しています。マイニングに参加している人々を「マイナー」と言います。

マイナーは、より多くの仮想通貨を獲得したいです。よって、より高性能なマイニング機器を必要とします。こうして出てきたコンピュータが、ASICと呼ばれるマイニング専用機です。

モネロではASICを使えない

しかし、ASICは高価ですから、多数を投入できるマイナーは限られます。すなわち、ASICの導入が進めば、マイニングが一部のマイナーの寡占状態になる可能性があります。よって、モネロは、ASICが使えない仕組みを採用していました。

こうすることで、より多くの人がマイニングに参加できるようにしたのです。この様子を、グラフで確認しましょう。

マイニングによる収益期待値

下のグラフは、1日当たりどれだけのモネロを得られたかという推移のグラフです。計算量は「1KHash/s」です。すなわち、1秒当たり1,000回の計算ができるコンピュータを投入した場合です(データはbitinfochatrs.comから引用)。

1日当たりのMoneroマイニング量グラフ

縦軸の単位は米ドルです。すなわち、1Khash/sの計算量を24時間投入し続けると、1日当たり1ドル~4ドルくらい稼げたということになります。

この数字が何を意味するのか、ビットコインの場合と比較しましょう。

下のグラフは、ビットコインをマイニングした場合の収益期待値です。こちらも1日当たり1ドル~4ドルくらいの収益を得られたと分かります。ただし、投入している計算量は「1THash」です。

すなわち、1秒間に「1兆回」計算できるコンピュータを投入した場合に得られる収益です。モネロは1秒間に「1千回」でした。桁があまりに違います。

1日当たりのBitcoinマイニング量グラフ

この違いがはっきり分かるように、上の2つのグラフを重ね合わせてみましょう。下の通りです。下のグラフは、「1KHash/s」の計算量を投入した場合の、1日当たりの収益見込みです。

1日当たりのBitcoinとMoneroマイニング量比較グラフ

上のグラフを見ますと、ビットコインのグラフが見えません。どこにグラフが書いてあるのでしょうか。実は、ビットコインのグラフは横軸と重なっています。ビットコインをマイニングするには、1KHash/sでは計算量が小さすぎるのです。事実上、マイニング不可能です。それに比べて、モネロは1KHash/sでも十分にマイニングできることが分かります

ASICを多数投入できない一般のマイナーにとって、モネロはとても魅力的でしょう。

Bitmainがモネロ用ASICを投入

しかし、この状況は変化を余儀なくされました。マイニング機器の有力企業であるBitmainが、モネロ用のASICを市場に投入することを公表したのです。すると、マイニングの環境は一変することになります。

今までのマイナーは駆逐されてしまう可能性があります。

ここで、モネロを主に開発している団体が、モネロのハードフォークを公表しました。ハードフォークとは、今存在しているモネロのプログラムを放棄して、新規プログラムを投入することです。

モネロ保有者の保有数量等は変わりません。新旧のプログラムで互換性がないというだけです。新プログラムでは、Bitmainが公表したASICを使えない仕組みを採用しています。

利用者やマイナーの全員が新プログラムを使用すれば、旧プログラムは捨てられることになります。すなわち、だれも使わないので存在が消えるも同然になります。

こうして、新モネロはASICへの抵抗力を維持します。

ハードフォーク反対派が「モネロクラシック」計画を公表

これに対して、モネロのハードフォークを快く思わないグループがあります。彼らは、従来のモネロをそのまま使い続けることを公表しました。新しいモネロに対して、従来のモネロの名前は「Monero Classic」と名付けられました。

Monero Classicと聞いて、すぐに思い出す仮想通貨名があるでしょう。イーサクラシック「Ethereum Classic」です。

イーサクラシックは、イーサリアムのハードフォークに反対するグループが中心となって利用されています。今まさに、モネロでも同じようなことが起きようとしています。

ハードフォーク実施日は2018年4月6日です。この記事を公開して直後くらいです。

モネロクラシック支持派の主張

ここで、モネロクラシック(従来のモネロ)を支持するグループの主張を簡潔に確認しましょう。詳細はmonero-classic.orgに掲載されています。

・マイニング専用機(ASIC)の登場は自然なことだ。
・ビットコイン用のASICが誕生した後、ライトコインが作られた。ライトコインはASICが使えない仕様だった。しかし、今ではライトコイン用のASICが存在する。
・ASICが使えないアルゴリズムに変更しても、ASICが登場するのは時間の問題だ。
・ASICが投入されれば、セキュリティが各段に向上する。
・多くの人々がモネロのハードフォークに賛成しているが、賛成でない人もいる。
・よって、我々は、今までのモネロのシステムを維持することにした。

しかし、従来のモネロ(モネロクラシック)を利用する人がいても、それを売買できる取引所がなければ、実効性が薄いです。取引所がなければ、買いたいと思っても、モネロクラシックを持っている人を探すだけでも大変です。

しかし、モネロクラシックのホームページによると、既に複数の取引所がモネロクラシックの上場を容認しているようです。

イーサリアム VS イーサリアムクラシックのように、モネロも2つが存在することになりそうな情勢です。

新モネロにはリプレイプロテクションがない?

ここで、一つ問題含みの内容があります。モネロクラシックのツイートによると、新モネロには「リプレイプロテクション」がないようです。

モネロクラシックのツイート

簡潔に訳しますと、以下の通りです。

「このハードフォーク実施にあたり、新モネロ開発チームは、新しいチェーンに対してリプレイプロテクションすることを明示していない。すなわち、新旧のモネロ(XMC及びXMR)はリプレイアタックのリスクがある。」

リプレイアタックを防ぐリプレイプロテクションは、極めて重要です。

リプレイアタックを簡潔に説明しますと、「一方の仮想通貨での送金が、意図していない他方の仮想通貨でも有効になってしまう」ということです。

今回の場合でいえば、旧モネロでの送金要請が、新モネロでも有効になってしまう可能性があります(逆も同じ)。これを使えば、モネロのシステムを混乱に陥れることが可能になります。

ハードフォークで分離すると言っても、元々は同じプログラムです。よって、こんなことが起きてしまいます。間違いが起きないようにプログラム修正を施す(リプレイプロテクションを実装する)ことが必要です。

このリプレイプロテクションが、新モネロに実装されていない(かもしれない)という状況です。

新モネロ開発チームとしては、旧モネロが存続するとは考えていなかったのかもしれません。存続しない場合、ハードフォークとともに旧モネロは事実上消滅しますから、リプレイプロテクションはそもそも不要ということになります。

しかし、現実は、旧モネロはモネロクラシックとして存続しそうです。

ハードフォークで誕生したモネロ一覧

最後に、今回のハードフォークで誕生したモネロを概観しましょう。いくつもあります。

Monero

Moneroロゴ

従来から存在するモネロです。今回のハードフォークが成功したことにより、ASICでの採掘は当面できない見込みです。

Monero Classic

MoneroClassicロゴ

今回の記事でご案内したモネロクラシックです。AISCでのマイニングが可能です。

Monero Classic

MoneroClassicロゴ

上のモネロクラシックと全く同じ名前です。しかし、ロゴが異なることから分かります通り、別の仮想通貨です。仮想通貨は誰でも自由に作れますので、このような事態が起きてしまいます。

Monero 0

Monero 0ロゴ

「モネロ・オー」ではなく、モネロゼロです。

Monero Original

Monero Originalロゴ

モネロオリジナルという名前の仮想通貨です。

この中で生き残る仮想通貨はどれでしょうか。1年くらい経過した後に振り返ると、はっきりしているかもしれません。

さて、今後、どのようになるでしょうか。成り行きに注目です。

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