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ビットコインに期待される役割-「政府の信用」を背景にする通貨はダメなのか

仮想通貨の価値について、様々な人が多くの意見を表明しています。その中には、円や米ドルなどの法定通貨と比較したものが少なくありません。比較すると分かりやすいので、とても良い方法です。

その中で、「国が発行する通貨は、金(きん)などの裏付けがなく、単に信用で成り立っている。よって、政策担当者の意向次第で、いくらでも通貨を発行できる」という趣旨の文章が複数見つかります。

まさにその通りですが、それと比較してビットコイン等を論じます。すると、(執筆者が意図してかどうかはともかく)「これは円や米ドルに隠されているデメリット」なんだよ、という感じが漂いがちです。

金の裏付けがない通貨は、デメリットが大きいでしょうか。デメリットが大きいならば、管理通貨制度(現在の通貨制度)を止めて、金本位制に戻るべきでしょう。

しかし、今は管理通貨制度です。すなわち、金本位制では都合が悪いということです。

そこで、なぜ金本位制が採用されないかについて、金本位制が破たんした過去を振り返りましょう。1929年以降の世界恐慌です。

世界恐慌のおさらい

ここで、簡潔に世界恐慌をおさらいしましょう。第一次世界大戦を経て、世界経済は絶好調になりました。絶好調過ぎて、需要よりも大幅に多い生産と設備投資が実行されました。株式市場も同様に、絶好調でした。

しかし、需要よりも大幅に大きい供給は、どこかで破綻します。それが1929年の株価大暴落につながりました。

一般的には、「世界大恐慌=1929年」というイメージかもしれません。しかし、実際には、大恐慌は何年も続きました。そして、世界恐慌発生時には金本位制でしたが、世界恐慌が進行する過程で、各国で金本位制が廃止されています。

下は、米国の株価(ダウ)の推移です。macrotrends.netからの引用です。1929年に株価が頂点を付けた後、下落に転じ、1932年~1933年あたりまで継続して下落していることが分かります。

  • 1929年高値:380.33
  • 1932年安値:42.84(88.7%の下落)

すさまじい下落です。1933年から反発している点については、後ほど確認しましょう。

米国の株価推移

では、世界恐慌と金本位制停止について、振り返ります。

金本位制廃止の始まり=金の流出

世界恐慌が発生したのは1929年ですが、実体経済に誰の目にも明らかな変調が見られたのは、その数年後からかもしれません。

というのは、1931年にオーストリアの大銀行が倒産したのを皮切りに、ヨーロッパのあちこちで銀行が閉鎖されたためです。

この騒ぎで、大国イギリスでも、金の準備高(保有量)が減っていきました。しかし、金の保有量はマイナスにできません。どこかで食い止める必要があります。

結果、イギリスは1931年に金本位制から離脱しています。

米国の金融政策

この流れは、米国にもやってきます。しかし、米国は違いました。イギリスやフランスへの貸し付け等で、大金持ちでした。よって、すぐに金交換を停止したわけではありません。

下のグラフをご覧ください。米国のニューヨーク連銀のディスカウントレート(金利)です。1929年から灰色になっていますが、これは不景気の期間を示します(ニューヨーク連銀ホームページからの引用です)。

ニューヨーク連銀のディスカウントレート

1929年、不景気になったので、金利を引き下げました。そして、しばらく金利の低下が続きます。分かりやすい動きです。しかし、1931年に金利が急上昇しています。グラフは灰色ですから、依然として世界大恐慌は続いています。これは何でしょう?

強引に、この様子を2008年のリーマンショック以降に当てはめてみましょう。まだまだ景気は厳しいのに、2010年ころに政策金利を急上昇させるイメージです。

経済が壊れてしまいます。

では、なぜ金利を引き上げたのでしょうか。理由は、金の流出を防ぐためと考えられます。さすがの米国も、金準備が減ってきました。金利を引き上げれば、金利を求めてお金が集まってきます。お金が集まってくれば、金準備を維持できます(お金=金(きん)ですから)。

すなわち、金本位制を維持するための金利引上げです。

100年を経た現在でも語り継がれるような大恐慌において、金利を引き上げざるを得なかったのです。

金本位制維持により、デフレを招く

大恐慌なのに、金利を大幅に引き上げると、経済はさらに低迷します。現在の管理通貨制度では、必要に応じて通貨を大量に発行できます。しかし、金本位制では、保有している金(きん)以上の通貨を発行できません。

そして、人々は金(きん)を求めます。働く場所がない、消費財はそのうち壊れてなくなる、食料は保存できない。・・・「金(きん)しかない!」という具合です。金の需要が大幅に増加しました。しかし、金の供給量は簡単に増やせません。

すると、金(きん)はあらゆる財に対して価値が上昇します。すなわち、デフレです。

日本でもデフレが長期間続きましたが、これは円の価値が上昇していたということです。リンゴが、今日は1つ100円で買えるとします。来年の今頃は98円で買えるとします。より少ないお金で、同じものと交換できます。

円の価値が上昇しています。

デフレになれば、お金を使いたくありません。今使わないで所有しておけば、来年、再来年に少ないお金で同じものを買えるからです。こうして、不景気がさらに進みます。

この政策に永続性がないことは、容易に想像がつきます。実際、1933年にルーズヴェルト大統領が、金の交換を停止しました。そして、大規模に公共事業を実施しました。

下のグラフのデータは、米労働統計局ホームページからの引用です。米国の消費者物価指数の推移です(1967年=100)。

世界大恐慌の翌年、1930年から物価が下落している様子が分かります。そして、1933年に反転上昇しています。1933年とはすなわち、金交換が停止された年です。

米国の消費者物価指数の推移

ここで、もう一度ダウ平均株価の様子を確認しましょう。1933年から急反発しています。物価で見ても株価で見ても、金本位制が米国経済にとって「大きな障害」だったことが分かります。

米国の株価推移

管理通貨制度は、これからも続きそう

このように振り返ると、将来の金本位制への復帰はないように見えます。金本位制では緊急時に対応できないからです。よって、様々な問題を指摘されつつも、管理通貨制度は今後も続いていくと予想できます。

ただ、今は世界が大きく動いています。現在の国家をどこまで信用できるだろう?という不安を持ったとしても、不思議ではありません。

そのような不安を持つ人々が、価値保存手段として仮想通貨に注目するのは、全く不思議ではありません。むしろ、自然だとさえ言えるかもしれません。

ビットコインに期待するもの

世の中には、何千という種類の仮想通貨があります。その中で、価値保存手段として注目を集めつつあるのがビットコインです。

ビットコインの特徴

  • 発行上限が決まっている
  • 中央管理者がいない
  • 容易にマイニングできない
  • 「使い古された」技術なので、バグの心配がない

ビットコイン開発者の中本哲史(なかもと・さとし)氏の論文をみると、ビットコインは価値保存手段だとは、どこにも書いてありません。当事者が第三者を経由しないで送金できる方法だと書いてあります。

しかし、今、ビットコインは新たな役割を担おうとしています。

ビットコインは10年後も価値保存手段として適切なのかどうか、それは分かりません。それが金(きん)と異なる点ですが、持ち運びや使い勝手が悪い金(きん)とは異なる、デジタル時代の新しい価値保存手段として注目を集めそうです。

仮想通貨の「バグ」について

最後に、上の4点の中で、「「使い古された」技術なので、バグの心配がない」があります。この意味を確認しましょう。

インターネットの世界では、バグはつきものです。公開後、バグが1つもなく順調ならば最高です。しかし、実際には、小さなバグがいくつも見つかるものです。そして、バージョンアップで修正していきます。

よって、仮想通貨の世界でも、バグはあります。しかし、仮想通貨のバグは致命的になりかねません。

悪意のある誰かがバグを見つけ、それを使って仮想通貨を盗んでしまうかもしれません。それが明らかになると、その仮想通貨は信頼を失います。そのような仮想通貨は使いたくありません。

この点、ビットコインは、バグが新たに見つかる可能性は低いでしょう(ゼロとは言いませんが)。というのは、世界初の仮想通貨なので、世界中のプログラマーに研究されつくしています。そして、2009年からずっと継続して稼働しています。

コンピュータの世界では、「古い=価値が低い」です。しかし、ビットコインの場合は違います。「古い=安全度が高くて価値が高い」です。

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